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最低賃金の計算に含める手当・含めない手当とは?給与計算で間違えやすいポイントを解説

2026年10月1日から、兵庫県の最低賃金が1,172円に引き上げられます。
前回の記事では、兵庫県の最低賃金の改定内容や、事業主・働く皆さまが確認しておきたいポイントについてご紹介しました。

最低賃金の引き上げを前に、会社として確認しておきたいのが、現在の給与設定が最低賃金を下回っていないかということです。
特に月給制の従業員については、

「月給を所定労働時間で割ればいいの?」
「通勤手当も含めて計算するの?」
「職務手当や資格手当はどうなるの?」

など、実際に計算しようとすると疑問が出てくることがあります。
実は、最低賃金の計算では、給与明細に記載されているすべての賃金を単純に合計すればよいわけではありません。
最低賃金の計算に含める賃金と、含めない賃金があるからです。
そこで今回は、前回の記事の続編として、最低賃金の計算に含める手当・含めない手当について、具体例を交えながら分かりやすく解説します。

最低賃金の計算では「すべての手当」を含めるわけではありません

最低賃金を確認するときに、まず知っておきたいのが、給与の総支給額をそのまま最低賃金の計算に使うわけではないということです。
最低賃金法では、最低賃金の計算から除外する賃金が定められています。
具体的には、次のような賃金は最低賃金の対象となりません。

  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
  • 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金)
  • 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金)
  • 午後10時から午前5時までの労働について支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金を超える部分(深夜割増賃金)
  • 精皆勤手当
  • 通勤手当
  • 家族手当

そのため、最低賃金を確認するときには、給与の内訳を確認して、最低賃金の計算対象となる賃金だけを取り出す必要があります。

職務手当や資格手当はどうなる?

ここが、最低賃金を計算するときに特に注意したいポイントです。
例えば、

  • 職務手当
  • 資格手当
  • 技能手当
  • 役職手当

などを毎月支給している会社も多いと思います。
最低賃金の計算から除外される賃金に該当しない場合は、最低賃金の計算対象となります。
毎月、労働に対する対価として支払われる固定的な賃金は基本的にカウントできます。

「手当だから除外」ではなく、「どのような目的で支給している手当なのか」
を確認することが大切です。

最低賃金の計算例

では、月給で働いている場合の具体的な計算例を見てみましょう。
たとえば、毎月の給与が次のようになっているとします。

  • 基本給:250,000円
  • 資格手当:20,000円
  • 通勤手当:10,000円
  • 家族手当:15,000円
  • 時間外勤務手当:25,000円
  • 1か月の平均所定労働時間:160時間

このうち、最低賃金の計算に含めるのは、基本給250,000円と資格手当20,000円です。
そのため、まず最低賃金の計算対象となる1か月の賃金を、
250,000円+20,000円=270,000円
とします。

次に、この金額を1か月の平均所定労働時間160時間で割ります。
270,000円÷160時間=1,687.5円
つまり、この場合の1時間当たりの賃金は1,687.5円となります。

この金額が、勤務する都道府県に適用される最低賃金額以上になっているかを確認します。
なお、月給制の場合は、給与明細に記載されている給与の合計額をそのまま割るのではなく、最低賃金の計算に含める賃金だけを使って計算することがポイントです。

10月の最低賃金引き上げ前にチェックしておきたいこと

前回の記事でもご紹介したように、最低賃金の引き上げを前に、会社では従業員の給与を確認しておくことが大切です。
その際には、単に「時給はいくらか」「月給はいくらか」だけではなく、
「最低賃金の計算対象となる賃金はいくらなのか」
まで確認しましょう。
特に、

  • 通勤手当、家族手当、精皆勤手当、残業代を含めて計算していないか
  • 職務手当や資格手当などを誤って除外していないか
  • 月給を時給額に正しく換算しているか

といった点を確認しておくと安心です。

まとめ

最低賃金を確認するときには、給与の「総支給額」をそのまま使うわけではありません。
最低賃金の計算から除外される賃金があるため、まずは給与の内訳を確認する必要があります。
特に覚えておきたいのが、
精皆勤手当・通勤手当・家族手当は最低賃金の計算に含めない
ということです。

一方で、職務手当や資格手当などは、「手当」という名称だけを理由に除外することはできません。
最低賃金の計算対象となるかどうかは、その手当の性質や支給条件を確認することが重要です。
今回の引き上げを前に、ぜひ一度、自社の給与の内訳を確認してみてください。

最低賃金や給与についてご不明な点がありましたら、社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
株式会社クレセンドでは、最低賃金への対応をはじめ、給与計算・賃金規程・労務管理について、会社の状況に合わせたサポートを行っています。

※この記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。最低賃金には、一定の業種に適用される「特定(産業別)最低賃金」などがあります。実際の適用関係については、最新の情報をご確認ください。

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